『悉く能く知らん』は、ことごとくよく知らないこと?
最近、いろいろあって、法華経をよく読誦しています。
妙法蓮華経 法師功徳品 第十九には、『xxx悉く能く知らん』というフレーズが13回で、『知らん』だけなら35回も出てきます。
- 是の法華を持たん者は 香を聞いで悉く能く知らん
- 無根及び非人を弁えざらん 香を聞いで悉く能く知らん
- 銅器の盛れる所 香を聞いで悉く能く知らん
- 波利質多樹 香を聞いで悉く能く知らん
- 衆の宝華の荘厳せる 香を聞いで悉く能く知らん
- 中にあって娯楽する 香を聞いで悉く能く知らん
- 来往行坐臥する 香を聞いで悉く能く知らん
- 周旋し遊戯する時 香を聞いで悉く能く知らん
- 入禅出禅の者 香を聞いで悉く能く知らん
- 初生及び退没 香を聞いで悉く能く知らん
- 或は人の為に説法する 香を聞いで悉く能く知らん
- 衆を愍んで説法したもう 香を聞いで悉く能く知らん
- 法の如く修行する 香を聞いで悉く能く知らん
読誦していると、嫌になるほど、『知らん』『知らん』と連呼になり、そんなに知らないのかと思えてきて・・・。
実は、法華経に出てくる『知らん』は、現代語では『知るだろう』という意味になるのです!
つまり、『知らん』ということは、これから『知るだろう』ということなのですね。
ということで、漢文『悉能知』の訓読み『悉く能く知らん』は、現代語では『ことごとくよく知るだろう』です!