小池啓仁 ヒロヒト応援ブログ By はてな

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ガス空調とは

私は、設備員でなく警備員なので、さらっと説明します。
私の勤務している施設は、エントランスに『ガス空調で節電』と掲示されています。
そう、電気を使わず、ガスを使ってどうやって、冷房や暖房ができるのか?
と、疑問に思いませんか…ということで少し調べてみました。


まずは、基礎知識です。
たとえば、氷を手で持つと冷たいですね。
これは、手の熱が氷に移り、結果的にその分だけ手が冷えるわけです。
つまり、熱は高い方から低い方に移動する性質があるのです。
冷暖房は、この性質を利用しています。


もちろん、ガス空調もこの性質を利用していますが、以下のように2種類があります。

  • ガスヒーポン式空調システム
  • 吸収式空調システム


普通の電気エアコンは、室外機内の電気モーターでコンプレッサーを回して、冷媒を圧縮して、熱を外に排出します。
ガスヒーポン式空調システムは、電気モーターでなく、ガスエンジンでコンプレッサーを回します。
つまり、電気のエアコンが電気モーターで室外機のコンプレッサーを回しているのに対して、ガスヒーポンはガスエンジンでコンプレッサーを回して 冷暖房を行う空調システムなのです。


尚、熱は高い方から低いほうへ移動する性質の他に、圧縮すると熱が高くなる性質があります。
ガスヒーポン式や普通のエアコンは、この性質も利用しています。
つまり、圧縮して室外より温度を高くして、室外へ熱を排出し、また、排出後、今度は膨張弁で減圧すると、温度が室内より低くなるので、室内から熱を取り込むことができるのです。


一般的なガスヒーポン式空調システムや電気エアコンの原理は、以下の感じです。

圧縮機で冷媒ガスを加圧するポンプの役目をし、凝縮器は加圧高温になった冷媒ガスと空気と熱交換し、空気に熱を逃がす(暖房時は空気を暖める)役目をします。凝縮器で熱を逃がした高圧の冷媒ガスは高圧の冷媒液に凝縮液化します。
液化した高圧の冷媒液は膨張弁で減圧され低圧の冷媒液となります。減圧された冷媒液は熱を貰うといつでも蒸発できる状態になります。
そんな低圧の冷媒液が蒸発機で空気と熱交換をすると、空気より熱を奪い蒸発し、低圧の冷媒ガスとなって圧縮機へと戻ります。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1038329145

要は、冷媒が膨張弁、蒸発機、圧縮機(コンプレッサ)、凝縮器を回って、室内の熱は、膨張弁と蒸発機で取り除かれ、圧縮機と凝縮器でそれを室内(熱高)から室外(熱低)へ排出します。


一方、吸収式空調システムの原理は、以下の感じです。

吸収冷温水機は、水が大気圧以下では100℃以下で沸騰・蒸発することを利用し、4つのほぼ真空状態の部屋に冷媒である水を循環させて冷房を行うシステムです。

  1. 蒸発器では、冷媒である水を蒸発させます。蒸発器内には、空調機とつながるパイプを通してあり、この中にも水を流しています。冷媒である水は100分の1気圧の真空に近い状態では約5℃で気化し、水蒸気になります。冷媒をパイプの表面で蒸発させると周りから熱を奪うため、パイプの中の水が7℃まで冷やされます。
  2. 吸収器には吸収液(臭化リチウム)が入っています。吸収液は、蒸発器から送られた水蒸気を吸収して薄まり、再生器に運ばれます。吸収器は水蒸気を吸収することにより蒸発器の真空を維持します。
  3. 再生器では、薄まった吸収液をバーナーで熱することにより水分を蒸発させ、元の濃さに戻して再び吸収器に送ります。蒸発させた水蒸気は凝縮器に送ります。このバーナーの燃料として都市ガスが使われます。
  4. 凝縮器内には冷却塔とつながるパイプを通してあります。凝縮器に送られた水蒸気はこのパイプの中を流れる冷却水で冷やされて水に戻り、再び蒸発器に送られます。
http://www.tokyo-gas.co.jp/encyclopedia/dictionary/dictionary43.php

要は、冷媒が蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器を回って、真空を利用して水を約5℃で気化させて室内と熱交換し、吸収液(臭化リチウム)からは、水分を蒸発させるためにガスバーナーを使うのですね。

まとめると

ガスヒーポン式空調システムも吸収式空調システムも、熱は高い方から低い方に移動する性質を利用しているのは同じです。
ガスヒーポン式空調システム(電気のエアコンも)は、コンプレッサーで加圧して、熱を外に出し、結果的に室内が冷房できます。
吸収式空調システムは、真空を利用して、水を約5℃で気化させ、室内から熱を奪い、冷房が出来るのですね。