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シーザー暗号を組んでみる!

先日ご紹介した『暗号化のお話 (1)』にシーザー暗号のことが書かれていました。
普通、暗号化は凄く数学的で難しいものですが、このレベルならまだ私でも理解ができたので、Perlで実装してみました。

◆シーザー暗号とは

古来から伝わる暗号化の方式としてシーザー暗号というのものがあります。
仕組みはとても簡単で、下の表のように文字列をアルファベット順に
数個ずらすだけです。この例では A〜Z を F〜Z・A〜E と、5つずらしています。


ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
FGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABCDE

例えば「I LOVE YOU」というメッセージをこのシーザー暗号で
暗号化すると「N QTAJ DTZ」という暗号文になります。
暗号文を受信した側は、F〜Z・A〜E を 5つずらして A〜Z
に戻せば「I LOVE YOU」という平文が手に入ります。

http://x68000.q-e-d.net/~68user/net/crypt-1.html

◆実装仕様

仕様としては、アルファベット26文字のみ暗号化します。
暗号化(CaesarCipherEnc)としては、引数に平文とローテート数を指定します。
復号化(CaesarCipherDec)としては、引数に暗号文とローテート数を指定します。

サンプルソース(ango.pl)

use strict;
use warnings;

    # 暗号化
    my $ans = CaesarCipherEnc('I LOVE YOU', 5);
    print $ans, "\n";

    # 復号化
    $ans = CaesarCipherDec($ans, 5);
    print $ans, "\n";

sub CaesarCipherEnc {
# 第1引数は平文
# 第2引数はローテート数で0〜26
my ($intext, $rotate) = @_;
my  $wkABC1 = 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ';
    return '引数エラー!' if (($rotate < 0) or ($rotate > length($wkABC1)/2));

my  $wkABC2 = substr($wkABC1, $rotate, length($wkABC1)/2);
    $_ = $intext;
    eval "tr/$wkABC1/$wkABC2/";
    return $_;
}

sub CaesarCipherDec {
# 第1引数は暗号文
# 第2引数はローテート数で0〜26
my ($intext, $rotate) = @_;
my  $wkABC1 = 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ';
    return '引数エラー!' if (($rotate < 0) or ($rotate > length($wkABC1)/2));

my  $wkABC2 = substr($wkABC1, length($wkABC1)/2 - $rotate, length($wkABC1)/2);
    $_ = $intext;
    eval "tr/$wkABC1/$wkABC2/";
    return $_;
}

サンプルソースの実行結果

C:\Documents and Settings\hoge>perl ango.pl
N QTAJ DTZ
I LOVE YOU

サンプルソースのポイント

アルファベットの変換にtr///を使用してます。
tr///は、s///と違って、文字列単位の置換ではなく、1文字単位の変換です。
また、tr///は、普通、変数を指定することはできませんが、evalを使うことにより可能にしています。
これは、"tr/$wkABC1/$wkABC2/"の文字列展開をした後にevalで実行ができるためです。
また、『eval "tr/$wkABC1/$wkABC2/";』で変換されるべき変数は『$_』なので、先に$intextを$_に代入しています。