GoogleのMicrosoft無効化戦略
実際に『Microsoft無効化戦略』があるのかは、わかりませんが、以下に書かれていることは、私の考察です。
ここのところ、Google Gears、Google App Engine、The AJAX Libraries API、アンドロイド、ストリートビュー、クロームと快進撃を続けるGoogle。
一方、ビルゲイツが引退し、Vistaが企業になかなか受け入れられずにいるMicrosoft。
ウェブでは、PCなどのクライアントを「こちら側」と呼ぶ場合があります。
一方、プロバイダなどのWEBサービスを提供するサーバーを「あちら側」と呼ぶ場合があります。
現在事実上、「こちら側」の代表はMicrosoftで、「あちら側」の代表はGoogleです。
Microsoftも「あちら側」をやってはいますが、Microsoftのサイトにアクセスすればわかる通り、1ページ表示されるのに分単位でかかることが結構あります。
一方、Googleでは、1,690,000ページを0.24秒で検索して、一瞬で表示するのです。
これは、あきらかにMicrosoftが「あちら側」ではない、ということですね。
Googleの戦略は、「あちら側」プラス、クローム&Google Gearsです。
これを具体的に言うと、「あちら側」をメインにし、「こちら側」をブラウザ(クローム)とキャッシュ(Google Gears)で完結させるのです。
つまり、サービスもソフトも「あちら側」で提供し、「こちら側」での実行と一時保存は、クロームとGoogle Gearsでのみ行う。
そう、Microsoftが提供するソフト(Microsoft Office等) は、どこにも登場しないのです。
これは、何を意味しているかというと、OSとクローム以外のソフトが無効化になるということです。
また、OSもブラウザ(クローム)が動けばいいわけで、別にWINDOWSである必要はないのです。
端的に言い直せば、Microsoftの無効化、そのものなのです。
ここまで書ていて、Googleの圧勝のような感じですが、ウィークポイントもあります。
それは、情報漏洩です。
Googleの完全時代(Microsoft無効化)が来た場合、データも基本的に「あちら側」に置くことになります。
これが、情報漏洩に脅える日本企業に受け入れらるかどうか、という問題です。
ここのところをGoogleが乗り越えられれば、本当にGoogleの完全時代(Microsoft無効化)が来るのだと思います。
用語概説
- Google Gears - ブラウザのプラグインで、ブラウザ内にローカルなデータベースを持つことができる。
- Google App Engine - グーグルの各サービスを運用する高信頼なインフラを使って、ご自分のPythonで書いたアプリケーションが実行できる。
- The AJAX Libraries API - JavaScriptでajaxを含む、有用なフレームワークの機能が利用できる。
- アンドロイド - 携帯端末のOSで、マルチタスク・マルチスレッドで動き、クロームもその上で動くらしい。
- ストリートビュー - 自動車でストリートビューを撮影データとして採集し、地図と連動してそのデータが見れる。
- クローム - ご存知、今話題のレンダリングもJavaScriptも高速なブラウザ。