口という漢字
漢字の源流である甲骨文字と金文は、約3300年前に出来、字形は象形文字が多いとのことです。
その後、象形文字を組み合わせた、会意文字、形声文字が出来てきました。
字形には、当時の文化や習慣、宗教、儀礼等が象徴された形で畳み込まれているとのことです(ある意味当然か)。
そして、当時(日本では弥生時代頃)の生活は、神さまを中心とした文化社会で、漢字は、神や霊魂に対する祈祷や卜(占い)、生け贄、葬儀等の儀礼に関するものが沢山あります。
例えば、口という漢字は、人の口の象形ということになっていますが、甲骨文字や金文では、その使用例が見当たらず、
サイという神への祝詞(ノリト)を入れる器の形の象形であると解することで、字形の意味が理解できるとのことです。
ちなみに、人の口の象形として現れるのは、約2000年前の詩経や書経ごろとされています。
これからは、口の字形を含む漢字(会意・形声)を中心に、漢字の成り立ちと当時の文化・宗教の関係を見ていきたいと思います。